本をつくりたい方へ


こんにちは。ハンカチーフ・ブックスの長沼敬憲です。

本を出版するということは、とてもすばらしい体験です。
伝えたいことがあるのであれば、ぜひトライしてほしいと思いますが、出版の世界に縁遠い人にとってそのプロセスはわかりにくく、何をどう進めたらいいかわからないところがあるでしょう。
ここでは、これから本を創りたい方のために、僕がハンカチーフブックスを立ち上げる前に執筆や編集に関わった書籍の紹介とともに、これまでやってきたことをご紹介します。

これまでやってきたこと

ハンカチーフブックスを立ち上げる前から、本の企画編集に携わっていくなかで最も力を入れてきたのが、出版プロデュースです。
著者のプロデュースと言っていいかもしれませんが、基本的には、ある分野のスペシャリストと組んで出版社に企画を通し、出版デビューさせる、さらには同じ著者の本を継続して刊行し、その研究分野、世界観などを広めていくことを意図していました。

そのひとつ、松村卓先生の「骨ストレッチ」シリーズ『「筋肉」よりも「骨」を使え!』『ゆるめる力 骨ストレッチ』など)は、シリーズ累計60万部を超えるベストセラーになりました。

著者の松村先生とは8冊の本をつくってきましたが、初期段階では講習会やセミナーを開催させるなど、スタートアップの経験も分かち合いました。コツコツと出版を重ねる中で著書が売れはじめ、やがてベストセラーになり、テレビや雑誌などで取り上げられ……、出版の世界でひとつの成功体験を積むことができました。

また、医師の土橋重隆先生とは書籍(『50歳を超えてもガンにならない生き方』『生きる。死ぬ。』『じぶん哲学』など)の刊行にとどまらず、3年間にわたって勉強会(土橋塾)を開き、本の内容をより深く学び合う活動を続けました。
学生時代から敬愛してきた栗本慎一郎先生の「最後の一冊」にあたる『栗本慎一郎の全世界史』を担当できたことも、素晴らしい経験でした。

初期の頃は健康実用書を扱うことが多かったですが、のちにサイエンス系の理学書を扱う機会も増え、生物学、免疫学、生命科学、栄養学などの研究者と出会うことで、身体や生命の本質をより深く考察する経験が積めました。
その過程で出会ったのが、腸内細菌学の世界的なパイオニアである光岡知足先生で、生前3冊の本(『人の健康は腸内細菌が決める!』『腸を鍛える』など)を手がけ、のちに光岡先生の世界観(バイオジェニックス理論)をベースの一つにした、NPO法人「日本セルフメンテナンス協会」の設立につながりました。

このほか、出版プロデュースとは言えませんが、駆け出しの頃に携わった医師・南雲吉則先生『50歳を超えても30代に見える生き方』は、50万部を超える大ベストセラーになりました。また、免疫学者・安保徹先生の研究の大きなターニングポイントになった『人が病気になるたった2つの原因』も担当。腸から細胞内のミトコンドリアへと、ミクロの領域の知見が一気に広がりました。

2011年12月には、僕自身の著者としてのデビュー作である『腸脳力』を刊行。おかげさまで、同書は現在も続くロングセラーになり、後年、ハンカチーフ・ブックスの『ゆるむ! 最強のセルフメンテナンス』『共生の法則』の刊行へとつながっていきます。

なぜハンカチーフ・ブックスを始めたのか?

以上のように、既存の出版社とつながりながら様々な本の企画・編集に携わってきましたが、本そのものの制作にすべて関わってこれたわけではありません。
基本的には、著者をプロデュースし、本の内容をまとめ、校了させるまでが一区切り。タイトルを決め、本を印刷し、書店に流通させるプロセスは、すべて出版社におまかせしている状況でした。

「本をつくること、広めること、すべてを経験したい」

移住した先の三浦半島の葉山の生活に溶け込みはじめた2015年、「ハンカチーフ・ブックス」という出版レーベルを立ち上げることで、この思いは実現していきます。
哲学系インタビューBOOK『TISSUE』(ティシュー)シリーズ、これまでの取材の集大成である『フードジャーニー』、新しい制作スタイルにチャレンジした『ことばの焚き火』などを手がける過程で、本の企画、制作から流通、販売にいたるまですべてのプロセスを自己決定し、表現していく経験を重ねてきました。こうした経験は何にも変え難く、クリエイターとしてのスキル、感性を高めることに大きく貢献したと思っています。

どうやって本をつくっていくの?

ここまでの歩みを整理すると、本を出版するプロセスは次の4つに分かれることがわかると思います。
本の内容にもよりますが、制作期間は最短で3ヶ月、平均で6ヶ月ほどです。
もちろん「つくって終わり」ではなく、つくった本をどう広めていくか……流通させること、在庫を管理し、直販で扱うことなども含めて、ご依頼される方の思いに添った形で、「何がどこまでできるのか」をともに考え、実行していきます。

ハンカチーフ・ブックスには、「どの時代、どの地域でも変わらない、ベーシックなこと」を大事にしていく世界観が根底にあります。
身体や生命の分野を多く扱ってきたのも、特定の主義主張に偏らない「普遍性」を探求し、それが個々の意識はもちろん、人生全般、心身の健康の「豊かさ」「心地よさ」につながっていく共有財産であるととらえてきたためです。

これからの時代の本づくりとは?

世の中全体がそうであるように、出版の世界も、いま、大きな転機を迎えようとしています。「本が売れなくなった」と言われる昨今、出版流通のシステムそのものも盤石とは言えません。

まず大事なのは、流行り廃りに左右されないコンテンツのクオリティー(質)です。本を売って、収益を上げることはもちろん大事ですが、世の中のニーズに合わせてつくった本が思い通り売れるとは限りません。ハンカチーフ・ブックスでは、「著者のバックグラウンドにある世界観を信頼し、そのすべてを表現し切る」ことを重視しています。

本を世に出すということは、著者が「世界に向かって自分の声を出す」ことにほかなりません。自分の内的世界を提供してくれる著者をリスペクトし、エディターとしての自らの経験を駆使しながら、その世界を読者に届けるサポートをすることが基本です。

そうやって表現された世界に価値があるからこそ、生み出された本が価値を帯び、読む人の意識を変容させる、結果として、多くの人に読み継がれる。。。目指しているのは、そうしたある意味でとてもシンプルな出版プロセスです。

たとえば、対話(ダイアローグ)をテーマにした『ことばの焚き火』では、著者4人と制作スタッフがゆるやかにつながりながら、文字通り、対話的なプロセスで作品づくりに取り組みました。
初版に3種類の帯を作成したこと、制作過程をオープンにしながら共感者を巻き込んでいくこと、本の構成からデザイン、イラスト、タイトル決定など、すべてメンバー間の対話を通して共有され、具体化されていったものです。出版界のセオリーからはかなり「型破り」な試みを行うことで、制作のクリエイティビティが発揮されることを経験しました。

現在では、この対話的プロセスの枠組みさらに拡張していくことで、自己ブランディング、地域コミュニティの創成、企業の組織開発、教育などにも展開できる独自の対話型メディア「TISSUE STYLE(ティシュー・スタイル)を生み出すに至っています。

本を読むこと、さらにはつくること、世の中に広めていくこと。。。個人、地域、日本、そして世界へ。。。ハンカチーフ・ブックスは、本を携えながら、本の先にある広い景色へと皆さんを誘っていきたいと思っています。

出版を希望される方へ

ハンカチーフ・ブックスでは、書籍の企画・編集・販売などのご相談を承っています。コンタクトを希望される場合、こちらまでお問い合わせください。メールやオンラインでやりとりしながら考えを伺い、必要であればお見積りなどを出しますので、よろしくお願いします。