生物はウィルスによって進化し、バクテリアによって守られている。
昨日は、新型コロナウィルスに関連して、セルフメンテナンスの話をしてきました。
自分の体は自分で守るっていうけれど、具体的にどういうことなの? という話ですね。
不安になっている人に検査をという話があるけれど、本当はもっと体のことを学び、自分を元気にすることを考えたほうがいいわけで。。
なぜそういう発想にならないかというと、それはもう、
医者が病気を治してくれる
と勝手に思い込んでいるからです、大部分の人は、まだ。
「医者が病気を治してくれる」というのは、まったくの嘘ではないけれど、
冷静に考えたら違いますよね。
昨日も書いたけれど、治すのは自分の体です。自分の体に備わっている治す力(自然治癒力)がまずありきで、日常ではそれが中心になっている。
ガンみたいな大病にかかった時、この治癒力だけに固執するのはどうかと思うけれど、
感染症のたぐいは自己治癒力に左右される割合は大きいですよね。
普通に考えても、発症する・しないの差が「そこ」にあることは明らかだろうし、
ならば、どうしたら自己治癒力が上がるのかと発想しないと。。
で、そのベースになるのが毎日の食事とストレスケア 、もう一つ加えるとしたら運動にあるわけで、医療でも食事療法、運動療法という言い方はするし、
ストレスと病気の関わりは、そのメカニズムはかなり明らかになってます。
まあ、このあたりは4/17に刊行される新しい本、
にしっかりまとめているので、興味ある方はご覧になってください。

さて、前置きが長くなってしまったけれど、ここからは表題のお話を。
生物はウィルスによって進化し、バクテリアによって守られている。
このタイトル、少し前に読んだ『乳酸菌革命』という本の表紙に書かれていた言葉なのですが。。。
なるほど〜、うまい言い方をするなあとまず思いました。
よく見ると、この長いコピー、サブタイトルなんですね。ある意味斬新だな〜。

著者は、中国科学院で遺伝学を専攻されてきた方ですが、書かれたのは2009年なので、今回の新型コロナウィルスのことはもちろん書かれていません。
ただ、今回、もしやと思って読み返してみたら、
「乳酸菌との出会いはSARS から始まった」
と冒頭に書かれていました。
友人の話によると、彼も「非天」(SARS)に感染して、とても苦しい何日かを過ごしていましたが、たまたま日本人の友人からもらった乳酸菌を毎日鼻に入れているうちに、肺炎が治ってしまったということでした。
この友人に乳酸菌のことを調べてほしいと依頼を受け、遺伝子解析を依頼したところ、
乳酸桿菌と腸球菌が混ざったものだとわかり、
ちょうどその時、隣の研究所に勤務する人がSARSに感染した疑いが出てしまいました。感染の拡大を防ぐために、私たちも研究所から外に出られなくなってしまったのです。期せずして充分な時間ができたので、私はそれからおよそ1週間、インターネットなどで乳酸菌のことを調べてみました。
なかなか面白い展開ですね。最初に読んだ時はこのあたりスーッと読み流していた気がしますが、
なるほど、SARSがきっかけでこの方の「乳酸菌研究」がはじまったわけですね。
とはいえ、乳酸菌がなぜ感染症を防いでくれるのか、このつながりがピンと来ない人も多いかもしれません。
まあ、だからと言ってヨーグルトを食べれば感染しないとか、そんな単純な話にならないことは言うまでもないないですが。。。
そもそも、よく言われているように、感染=発症というわけではありません。
ここに「共生」という言葉がキーワードとして登場します。
バクテリア(細菌)もウィルスも、僕たちの体の中には当たり前のように共生しています。
バクテリアに関しては常在という言葉が使われます。ウィルスはキャリアですね。
それぞれまったく別の「生き物」ですが、どちらも共生している点は変わりありません。おそらくそれも膨大な数、種類が。。。
この前提に立たないと、病気にかかる(発症する)理由も見えてきません。感染を防ぐという公衆衛生の考え方は別の意味で大切ですが、
もう一つ大事な視点は、
共生しているはずなのに、それがなぜ発症につながるのか?
というところにあるわけで、発症する人と発症しない人の差もここにあると考えられるんです。
長くなってしまったので、続きはまた明日。